セントラルキッチンを導入するメリットやデメリットは?

飲食や宿泊業界、医療、福祉などさまざまな業界においてセントラルキッチンは活用されています。施設内で調理を行わず、別の場所で大量に調理し、最終的な仕上げだけ施設で行うのが一般的です。ここでは、セントラルキッチン化するメリットやデメリットを中心にご紹介しましょう。

セントラルキッチンのメリット

そもそも、どうしてセントラルキッチン化する必要があるのか、と疑問に感じている方もいるかもしれません。
まずはメリットを理解しておきましょう。

コストを下げられる

たとえば、複数の施設を運営しているケースでは、それぞれの施設において調理が必要です。専属の調理スタッフを採用し、その都度食材を確保しなくてはならないため、どうしてもコストが上昇します。

セントラルキッチンなら、複数施設で必要な食事を一度に調理できるため、コストの削減が可能です。食材を大量発注できるため、仕入れの金額も下げられるのです。施設でも複雑な調理プロセスが不要のため、スタッフの負担軽減にもなります。

適切な衛生管理が可能

施設によって、衛生管理が行き届いているところもあれば、そうでもないところもあります。どうしてもばらつきが出やすく、ときには衛生管理の不行き届きにより食中毒などを起こしてしまうかもしれません。

セントラルキッチンなら、ひとつの場所で全施設の調理を賄うため、衛生管理がしやすいメリットがあります。それぞれの施設では、最低限の衛生管理を行えばいいため、指導や教育をしやすいメリットもあるのです。

味にばらつきがない

提供する店舗や施設によって、料理の味が変わってしまうことは珍しくありません。調理を行うスタッフの質や数が違えば、当然できあがる料理の味は違ってくるのです。

まったく同じメニューであっても、こうしたことは起こりかねません。セントラルキッチンなら、料理の味を均一にできるため、このようなリスクがありません。

セントラルキッチンのデメリット

メリットがいくつもあるセントラルキッチンですが、いくつかデメリットがあることも覚えておきましょう。以下、セントラルキッチンを導入するデメリットについてまとめました。

できたての味にはならない

あらかじめ工場で大量に作ったものを小分けにして保存し、それを各施設、店舗に配送するシステムであるため、完璧にできたての状態の味ではありません。但し、調理方法や使用する食材によっては、同等レベルの提供も可能となってきました。

こうした理由から、さばく食数が少なく、すぐに調理ができる個人飲食店よりも集客が多い大手の飲食チェーンでは、セントラルキッチンを有していることが多いです。

食品ロスのリスク

店舗や施設で、その都度調理する方法では食品ロスを最小限に留められますが、セントラルキッチンを利用するケースではそうもいきません。

一度に大量の食材を購入して調理を行う方法であるため、どうしても食品ロスの割合は大きくなってしまうのです。食品ロスの最大の要因は、見込生産による部分です。販売数量が確定していれば少なく済みますが注文数の見込で調理するので売れ残りは廃棄に回ります。
<h3>コストがかかる<h3>
見込み生産には食品ロスを発生させてしまうほかにも、余分なコストを生んでしまう可能性があります。セントラルキッチンの利用は、一定数以上の食事を安定して提供できる場合に適しています。このため、この条件を満たしていない場合は、コスト高になってしまうため、利用に適しているかどうかをきちんと把握しましょう。

クックチルやクックフリーズ導入のセントラルキッチンなら安心

多くのセントラルキッチンでは、クックチルのように作った料理を急速冷却し、適温で保存するシステム、または、クックフリーズのように急速冷凍を行うシステムを導入しているため、より衛生管理がしやすく、できる限り食材の鮮度も損ねずに済みます。

セントラルキッチンを導入するのなら、併せてどの調理法を採用するかも考えなくてはなりません。クックチルやクックフリーズ、真空調理など、複数の選択肢から目的に合わせたベストな調理法を選びましょう。

まとめ

セントラルキッチンを導入することで得られるメリットは多いですが、デメリットがあることも理解できたのではないでしょうか。導入を検討するのなら、新たな調理法ごとの特徴やメリット、デメリットなども理解したうえで選んでください。