災害時でも企業活動を円滑に行うためのBCP対策

自然災害のひとつに地震がありますが、もしもの時に企業活動が止まってしまわないようBCP対策を用意し、実行しておくことをおすすめします。ここでは地震へのリスクマネジメントやBCP対策の作り方などについて解説します。

地震に対するリスクマネジメント

日本ではこれまでに数多くの巨大地震が起こっており、今後も南海トラフ地震などがいつ起きてもおかしくない状況にあります。もし地震が起きても事業継続ができるよう、BCP対策の策定と実施をおすすめします。

地震大国の日本

日本列島は大きなプレートのぶつかり合う境目にあり、その中に2,000もの活断層が存在します。政府からも今後30年に大型地震が起きる可能性の高いエリアが示されていますが、日本の広いエリアがあてはまっています。

また現代日本の都市部では高層ビルた建ち並びその中に多数の企業が入っており、これまでとは異なる対策が必要です。それは、高層ビルの上層階で地震が起きた場合下層階に比べて長い時間大きく揺れると想定されるためです。

また過去の震災では、建物の共振により地震の被害が拡大して、実際に震度3でもエレベーター6基のケーブルを切断する事故が起きています。社内にいて被災した従業員の危険を避け、できるだけ被害を抑えるためにも、BCP対策の必要性が高まっています。

BCP対策とは何か

BCP対策とは事業継続計画を意味する言葉で、「Business Continuity Plan」の略称です。大地震などが起きたとき、 それを防ぐためもしもの時に最低限の企業活動を続けて収益を得られるようにする指針がBCP対策です。

地震のリスクマネジメントのうち、リスク対応にあたる部分に含まれます。

自社にあった地震のBCP対策を立てるには?

地震は日本にある企業にとって最大のリスクと言えるため、南海トラフ地震の予測地域以外でも全国で対処するべきです。かと言って企業規模により対策できる内容は異なるので、自社でできることから始めます。

詳細な地震リスク対策をするには、専門家による地震リスク分析サービスを活用してBCP対策に生かす方法もあります。

社内の安全確保に関する法律の遵守

地震に関するBCP対策の目的に、従業員や顧客の命と安全の確保や地域の地震被害拡大を防ぐことがあります。これは建築基準法や消防法など法律に基づいて内容を決めるのが前提です。

消防法が一部改正され、多くの人が利用しており緊急時にはスムーズな避難誘導が求められる、規模が大きく高層の建築物は防災管理者の選任などが義務付けられました。什器や機器などが転倒・移動・落下しないような措置も同様に義務付けられており、怠ると企業の責任を問われます。

BCP対策を策定、実行する場合には法令の遵守が欠かせません。

社内の事務機器の安全性を確認

これまでに起きた大地震の例では、高層ビルの社内においてキャスターで支えるタイプの事務機器が揺れで動いてしまいました。重量のあるコピー機やシュレッダーに移動の力が加わり、ぶつかれば大きな被害を受ける危険性があります。

そのため棚だけでなく事務機器にも対策を施すことが必要です。

補助金を使って地震対策

BCP対策の一環として建物に耐震工事を施すには、巨額の費用がかかります。自治体がBCP対策の策定や実施に補助金を募集している場合は、活用されることをお勧めします。

補助金申請の方法

都市部の自治体では、その都道府県で事業を営む中小企業と中小企業団であることと、BCP対策を策定しそれを実施するための費用であれば補助金申請ができるとしています。一定期間、募集があるためタイミングを逃さないように申請をします。

その他にの条件として、自治体が定めたBCP対策講座を受けて策定し実践する場合としているところもあります。もしBCP対策について知識がなくても講座を受ければ自ら対策を立てられるため、積極的な参加がおすすめです。

補助金申請の対象事業

BCP対策の内容には事業によってさまざまですが、補助金対象事業の中に地震対策も含まれています。例えば飛散防止フィルムや転倒防止装置の設置、自社所有の建物の耐震診断費用がそれにあたります。

これらにかかる費用の半分程度が補助金の対象ですが、下限は数十万円なのであまりに少額の場合は補助金の対象にはなりません。逆に上限もあるため何千万円もの補助金は受けられないため、その対策事業はどのくらい助成されるかを把握したうえで申請すると良いです。

まとめ

地震はいつ起きるか分からない災害であり、早めに地震のリスクマネジメントとそれを踏まえたBCP対策が必要です。設備の対策はまとまった費用がかかるため、自治体が募集する補助金を申請し上手に利用して設置することです。