この記事でわかること
飲食業界でのフードロス問題は、サスティナブルな社会が求められる中で注目を浴びてます。
今回は、原価と「おいしさ」の関係について多少、記してみます。
仕入れ=原価?は間違い
一般的に消費側の人は、提供される料理の見た目や量と味、食感で料理を評価します。
とんかつでも脂身が多く、衣がサクッとしてなければ評価は悪くなります。
但し、お店側は、仕入れで「豚ロースを10kg」と仕入先に発注します。
この10kgには、脂身も含まれてキロ〇〇円で値段が仕入れ先と成立しています。
つまり仕入れの原価には、脂身も含まれています。
提供にふさわしくない部位、筋や皮、骨なども重さに含まれて価格に反映されています。
消費側から良い評価を得るために脂身をどの程度落とすか?は、正味の提供品の量と原価に大きく影響します。
スーパーでスペアリブを安いから買ってみたけど骨が大きく食べられる肉の部分が少ないと損した気になることは
たいていの方が経験されていると思います。
飲食業界も仕入先との信頼関係で質の良いものを仕入れることが重要なのです。
野菜や果物も同様です。
調理される実際に食される過食分と皮やタネなど取り除かれる部分があるからです。
仕入れ-フードロス=歩留
それでは、廃棄される部分を取り除いた「歩留」と言う考え方が飲食業化ではあります。
10キロの肉から筋などを取り除いて可食分が8キロであれば歩留80%ということになります。
単純に10キロ、1万円が仕入れであっても8キロ1万円が原価として考えないと評価されるものを
提供できなくなります。
仕入れコストの抑制も重要ですが歩留を見極めて価格設定をすることが最も重要とも言えます。
2キロの廃棄ロスには、費用を支払って廃棄してもらうことになるので経営する側としては
ランニングとして大きく影響してきます。
不要となる部位を必要とするところにマッチングできれば双方にとって大きなメリットが生まれますが
現実的には、需要と供給のバランスやロスの情報が伝わらないので進まない状態です。
現在では、急速冷凍で食材や調理品を保存することが可能になってので以前に比べロスは減ってきていますが
企業の努力に一任される面が多く、まだまだ課題が多い分野と言えます。
人件費とのバランス
仕入れコストは、安いにこしたことありません。
色々な食材が色や形、在庫量によってB級品として流通します。
カットしたり刻んでしまえば新鮮で問題ないものも多数あります。
一方、完熟品や採れたての泥付きなどもあります。
完熟品であれば使い切れる量か?泥付きであれば洗浄エリアの人件費が増えます。
また、衛生区分で泥付きを処理できる洗浄場所として非衛生エリアがあれば問題ないですが
無ければ調理をするエリアに入れて加工することは避ける必要があります。
守らなければならないことを守ったうえで人の手間と仕入れのバランスを担保して経営することが求められます。