保健所へクックチル・クックフリーズを導入する方法やメリット

学校や病院、福祉施設で食事提供を開始する際は、保健所への届出が必要となります。ここでは、学校、病院、福祉施設で給食の提供をはじめた際、届出の対象となるものや手続の流れ、さらに、安全な給食提供ができるクックチル・クックフリーズといった新調理システム導入のメリットについて解説します。

保健所への届出が必要となる対象とは

学校、病院、福祉施設で給食提供を行う場合に、食品製造業等取締条例に基づいて各地域の保健所へ届出が必要となるケースを紹介します。

対象となる条件

食品製造業等取締条例に基づいた届出が必要となる対象は、特定多人数と呼ばれる食事提供を受ける集団がほぼ特定で同一であることと、食事の提供タイミングが週1回以上かつ、1ヶ月以上継続し、1回の食事提供数が20食、または50食以上のケースです。この場合は、各地域管轄の保健所への届出が必須となります。それと併せ、給食供給者は衛生基準を遵守する必要があります。この条件を読めばほぼ全ての場合、届出が必要と理解しても過言では無いと思います。

対象外になるケース

食品衛生法に基づいて飲食店営業の許可を取得している施設は、食品製造業等取締条例に基づいた届出の必要はありません。また、健康増進法に基づく給食開始届をすでに保健所に提出済の場合は、この対象となります。

給食開始における手続の流れ

給食をはじめる場合、各地域で給食施設を所管している保健所へ事前相談をしてください。その際、給食提供を行える施設基準に相当しているかの確認が必要となるため、施設の図面を持参します。

また、衛生的な給食提供を行うために施設内で食品衛生責任者を最低1名定める必要があります。食品衛生責任者の資格は、講習会を6時間以上の受講で取得することができます。ただし、栄養士や調理師などの資格を持っていればこの講習は免除されます。

届出の提出

給食開始届は、給食の提供をはじめた日から10日以内に各地域管轄の保健所へ提出します。給食提供者への手引きは各地域により若干の差異があります。このため、必ず管轄の手引きを参考にしましょう。

東京都内で給食供給を行う給食提供者に向けた給食開始届は、次のような項目記載があります。

(開始届表面)
・給食提供者 住所、氏名、電話番号
・給食施設所所在地

(開始届裏面)
・施設区分
・給食施設名
・保健所名
・住所
・電話番号
・朝、昼、夕飯の給食食数
・食品衛生責任者の氏名、保有免許
・給食調理従事者数
・定員人数

開始届裏面にある給食調理従事者数は、該当施設で給食調理に携わる人数の総数となります。また、定員人数とは施設を利用者の定員となるため、学校なら生徒数、病院では病床数を記載します。

届出に必要な書類

給食開始届を提出する際は、併せて下記の書類が必要となります。

・該当施設の図面、設備の概要
・食品衛生責任者の資格を証明できるもの
・法人の場合は登記事項証明書
・井戸水や貯水槽の水を使用する場合は水質検査成績書

給食開始後は栄養管理・衛生管理の徹底

給食は、継続した栄養管理と衛生管理が大切です。栄養管理では、供給する栄養目標量の計算、設定、見直し、提供食種、一定期間の献立作成といった計画立てから、適切な品質管理による食事提供の実施を行います。

さらに、食事提供後は食べ残しの量や食事供給を受ける方たちの満足度調査を行い、食事計画の改善・見直しに繋げます。

食中毒が発生したあとの保健所の対応

食事提供を行う現場で万が一食中毒が発生したときには保健所が動きます。保健所は、提供された食事によって食中毒が引き起こされた疑いがある場合、施設に立ち入りして検査を行う権限を持っています。食中毒が発生してから、行政処分が下されるまでの流れを以下にまとめました。

・利用者が体調を崩して病院にかかる
・病院が食中毒を疑い保健所に通報
・保健所による施設への立入検査
・保健所による利用者へのヒアリング
・調査結果から処分を決定し通達

一般的には、このような流れで行われています。調査の結果、食中毒の疑いは低いと判断されれば、行政処分を受けることはありません。調査から処分が決定されるまでには、数日から1ヵ月程度かかります。

食の安全性を高められるクックチル・クックフリーズ

食の安全を高めるのに効果的なシステムとして、クックチルが挙げられます。クックチルは、大量に調理した料理を急速冷却して保存し、提供するタイミングで再加熱する調理法です。

調理してすぐに急速冷却させるため、細菌の発生しやすい温度帯を素早く通過でき、食中毒リスクを軽減できます。実際、多くの医療機関や介護施設などで導入されている実績もあるため、検討する価値は十分あります。

また、より業務の効率化と食の安全性を高められる、ニュークックチルを導入する企業も増えてきました。ニュークックチルなら、チルドした食材を盛り付けた状態で再加熱を行うため、人が食材に触る頻度を少なくできます。
さらに注目を集めている新調理システムとしてクックフリーズも食品衛生の効果が高いものです。クックフリーズは、急速冷凍を行うため、クックチル、ニュークックチルよりも温度管理が行いやすいことや、食品を安全に保管できる期間が長いです。このため、クックフリーズの採用やクックチルとクックフリーズを併せて利用するケースも多々あります。

まとめ

給食提供を開始することで施設への集客や満足度は高くなります。給食を開始するには、必要な手続を行うことと、施設での衛生管理を徹底させなくてはなりません。クックチルやニュークックチル、クックフリーズなら、衛生管理がしやすくなり、食中毒の発生リスクも引き下げられます。食の安全が求められる施設にこそ、クックチルやニュークックチル、クックフリーズといった新調理システムはおすすめです。