病院で経費削減するには?人件費を確保するための削減方法をご紹介

命を預かる病院経営を続けるには、人材の確保が欠かせません。そしてそのためには十分な人件費を確保していることが必要です。かといってすぐ利益がアップするわけでもないため、できるだけ経費削減をすることです。ここでは病院で取り組めるコスト削減方法をご紹介します。

病院で経費削減するには

クリニック経営では赤字を出さず黒字をできるだけ大きくしたいものです。その場合にできる、コスト削減のアイデアを解説します。頑張りすぎず継続を目指した内容が取り組みやすくなりおすすめです。

トップが指揮をとる

病院でコスト削減を行う場合、全体で同じ目的を認識する必要があるため、院長が経費削減の指揮をとることです。そして各スタッフのリーダーから現場へと指示を伝えますが、立場によって取り組める内容も違います。

病院のトップから経費削減の実施を伝えるとき、臨機応変に自分の考えのもと動けるリーダーの育成も欠かせません。優れたリーダーは病院のトップと共にどうすれば削減できるかを考え、部下へ伝えられるためです。

固定費を変動費に変える

変動費とは収入や患者数により変わる費用のことで、利益アップを狙うときには必ず固定費の変動費への変更を提案されます。なぜなら固定費は経営がひっ迫し売上が少ないときでも同じ額の支払いがあるからです。これでは利益がなく赤字になるかもしれません。

具体的な方法として、正規雇用をやめて非正規雇用を増やす・毎月の給与のベースアップではなく賞与を増やすなどがあります。ただし法律に規定があるため、それに反しない範囲での変更をします。

こまめに照明を消す

現場で気を付けやすいことですが、たとえば外来のない時間帯には外来の待合席の照明や空調は消すなどです。個人病院ではそれほど経費に変化がないかもしれませんが、規模の大きな病院ほど小さなことがつもり、コスト削減が期待できます。

コスト管理の意識を持つ

トップから現場まで、全員で経費削減に取り組み結果を出したとしても、時間が経てば再び元の状態に戻るケースも少なくありません。そのため、元に戻らないようコストに対して意識し続けることが必要です。

方法としては固定費を全体に公開してコスト管理を徹底し続けることがあり、具体的な数字を示すと意識しやすくなります。

それから、取り組んだ方法が必ずしも経費削減につながるとは限りません。ときには失敗を自覚し見直して別の方法へ切り替えます。結果が出るまで続けたくなりがちですが、あるときは柔軟に方法を変えることもポイントです。

削れる人件費もある

医療の現場で人件費を削っては、必要な措置を取れない可能性があります。しかし病院業務は患者の治療や検査などだけではありません。そのほかの部分で人件費を上手に経費削減し、経営に生かしましょう。

調理場にかかる人件費

入院患者には1日最低3回の食事を提供しますが、その度に下処理から始めて調理していては一部の時間だけに集中してスタッフが必要になります。そして入院患者数に合わせて調理する量も異なるため、人員はたくさんいるけれど作る量は少ない場合もあるのです。

すると人件費が無駄になってしまい、余分なコストがかかったことになります。そこでこの部分をカットする方法を導入してはいかがでしょうか。

セントラルキッチンのメリット

病院と老健を併設や特養とケアハウスや保育園等を法人として併設しているケースは多いと思います。セントラルキッチンとは、必要な食材や食事を1か所でまとめて調理し各施設へ配送するシステムです。系列病院の数が多いところほどセントラルキッチンを採用するとコストカットに役立ちます。

なぜなら病院ごとに調理室をつくらずに済むため設備費を抑えられるほか、そこで働く多くの人材の給与が発生しないからです。届いた料理を提供できる形にして配膳する最低限のスタッフで良いことから、人件費削減につながります。

それにセントラルキッチンを採用すると使う食材を大量仕入れできるため、仕入れにかかる費用のダウンにもなります。

セントラルキッチンのデメリット

まとめて調理をする分大きな規模のキッチンが必要で、一定以上の調理をしなければ逆にコストが高くなる場合もあります。そして、まとめてつくってから配送するので鮮度の低下もしやすくなります。

急速冷凍機の導入

セントラルキッチンのデメリットは急速冷凍を導入すると避けられると見込めます。なぜなら急速冷凍は食品の鮮度や料理のおいしさをそのままに冷凍できるからです。

もしセントラルキッチンを採用しても、急速冷凍してから各施設へ配送し解凍すれば、できたてのおいしい料理を提供できます。そしてまとめて加工した食材の場合も保存期間が長くなるので、下ごしらえのストックをしやすくなるのです。

まとめ

病院経営でコスト削減するには、トップからリーダーさらに現場へと統一したコスト管理意識を持ちましょう。そして携わる仕事内容によりできるコストカット策は異なるため、それぞれの場所で適切な経費削減に取り組みます。

また病院食の提供の仕方を変えると経費削減にもつながるため、セントラルキッチンや急速冷凍は有効な方法です。