クックチルの導入費用と導入時に必要なもの

調理した料理を急速冷却することで、食の安全性を高められると話題のクックチル。業務効率化が可能となり、医療機関や介護施設などでも導入するところが少なくありません。そんなクックチルですが、導入にあたりどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、システムの導入に必要な機器、費用などをご紹介します。

導入に必要なもの

クックチルのシステムを導入するにあたっては、ブラストチラーやリヒートウォーマーキャビネットなどの機器が必要です。まずはそれぞれの機器ごとの役割を理解しておきましょう。

ブラストチラー

クックチルでは、調理後の料理をスピーディに3度以下の温度に冷却します。一般的な冷蔵ではなく、急速冷却であるところが大きなポイント。急速に冷却を行うことにより、食材の風味や味を損ねることなく、保存が可能となるのです。

ブラストチラーは、クックチルのシステムにおいて急速冷却を担う機器です。できたてで高温の料理を短時間で冷却でき、細菌が繁殖しやすい温度帯をスピーディに通過します。

現在ではさまざまなブラストチラーの製品がリリースされており、中には自動洗浄機能を搭載したものもあります。このような機器なら、面倒なメンテナンスの手間も最小限に留められます。

急速冷凍を行う新調理システムであるクックフリーズの場合は、冷却器ではなく、液体冷凍機でショックフリーザーなどの急速冷凍を行うフリーザーを導入する形となります。
ブラストチラーで急速冷却して液体冷凍機で急速冷凍するとアイドルタイムが大幅に削減でき、業務効率化につながります。クックチルとクックフリーズを併用して利用するなど自社製品に合わせてそちらの機器導入もおすすめです。

リヒートウォーマーキャビネット

クックチルシステムにおいて、冷却と同じくらい重要なプロセスが再加熱です。新調理システムでは、食事を提供するタイミングを見計らい、再加熱を行いますが、そのために使用するのがリヒートウォーマーキャビネットやスティームコンベクションです。

必要な導入費用

クックチルのシステムを導入するにあたり、どれくらいの費用が発生するのかは気になるポイントです。トータルでいくらの費用がかかるかはケースバイケースですが、ここでは導入にあたりどのような費用が発生するのかをご紹介します。

機器の導入費用

ブラストチラーやリヒートウォーマーキャビネット、スティームコンベクションなど、専用機器を導入する費用がかかります。複数のメーカーから、さまざまな製品がリリースされているため、どれを選ぶかで費用が大きく変わります。

ブラストチラーの場合、小型でも500万円以上するケースがほとんどです。容量の大きなタイプとなれば、1000~1500万円以上することも珍しくありません。かなり高価な機器であるため、システムを導入するときは慎重に考える必要があります。

厨房のリフォーム費用

ブラストチラーやリヒートウォーマーキャビネットなどは、それなりの大きさがある機器です。幅や奥行、高さなどは製品によって異なりますが、設置するためのスペースが必要となるのは言うまでもありません。製品によっては省スペースタイプもあるため、自社にあった製品の利用が望ましいです。

もし、設置するスペースがないのなら、厨房を改修する必要があります。

業務用厨房の改修工事は、一般的な住宅のリフォームとは違い、衛生管理面や消防法も関係し、費用が高くなるケースがほとんどです。

導入を成功させるには

クックチルやクックフリーズを導入すれば、廃棄ロスを抑え人的コストの軽減も可能ですが、導入時を成功させなければ意味がありません。そこで、

従業員教育を行う

メリットが豊富にあるクックチル・クックフリーズなどの新調理システムを導入した際、企業によって効果に多少の差が出ます。うまく使いこなしているケースは、システムの使用方法を理解し、オペレーションをマニュアル化しているからです。

このため、新調理システム導入の際は、勉強会への参加や事前に販売会社でのテストが望ましいです。食品衛生管理法の改定により、衛生面が優れている新調理システムの導入は、今後ますます注目される可能性が高いため、従業員への教育を行っていること自体が社外広報になることや採用へのアピールといった、直接的な費用以外のメリットにつながることも考えられます。

複数社での見積もりとポイント

厨房に機器を設置するスペースがない場合、改修工事をしなくてはなりません。このケースでは、1社だけに見積もりを依頼するのではなく、複数社から見積もりをとりましょう。施工業者も自社推薦と設計事務所推薦、販売店推薦など広い視野で公平に行うことで大きなコスト差が得られます。

数社見積の基本の基

複数社からの見積を取得して失敗しないためのポイントお伝えしておきます。お勧めとしては、中立な立場の設計事務所に間に入ってもらいことをお勧めします。一番の理由は、見積の仕様と書式を統一してもらえることと御断りも設計事務所に任せられることです。ご自身でやると各社から出た見積で詳細に何ページにも書かれた見積明細もあれば、項目単位に一式で書いてくる会社もあり結局、鏡の金額だけで一番安いとことに発注したら「見積に記載なき事項は別途です」で予算オーバーなんてことは、良くある話です。建築部分は、設計に任せ、厨房内の機器に関しては、各メーカーの同等品を性能も含め比較されることが良いと思いますのでご参考としてください。

まとめ

クックチル・クックフリーズを導入するには、それなりの費用が発生することは覚えておきましょう。少しでも安くしたいのなら、新品ではなく中古の機器で妥協するのでなく、複数の改修工事業者の中から信頼できるところから見積もりをとりそこでのコスト削減も忘れないでください。