【応援】雹害で梨農家は大打撃

6月収穫前の雹害梨

みなさんこんにちは。

令和4年6月に関東各地で大粒の雹が降り、トウモロコシや桃、梨など収穫間近の農作物に大きな被害が出ました。

今回は、梨の生産が盛んな千葉県市川市の農家さんから、雹害を受けた梨(雹害梨)を送っていただきました。

雹害を受けた梨は傷ついてしまい商品価値が下がり、販売することができずロスに繋がることも多くあります。

ロスにするのではなく、また商品価値を損なうこともなく、逆に付加価値を付けて販売することはできないだろうか?

フリーズラボでは、急速冷凍の観点から、その可能性を探りました。

いただいた梨は水分が多くシャキシャキ食感の甘い梨「幸水」。

上の写真は、雹害を受けた収穫前の梨です。

まだ熟しておらず緑色ですが、間もなく大きく育ち収穫となる大事な時期に、雹害に見舞われてしまいました。

収穫後の梨(幸水)

収穫された梨が左の写真です。

雹害の傷跡が痛々しく残り、商品価値は大きく損なわれてしまいました。この度の梨の被害額は千葉県全体で13億円に上るとも試算されているそうです。

例年、梨の収穫時期は7月下旬頃から始まり、幸水、豊水、あきづき、かおりなど品種を変えて9月いっぱい続きます。

収穫間近に襲った雹害は、農家さんが丹精込めて栽培してきた1年の成果を、僅か数分で奪い去ったと言っても過言では無い状態でした。

雹害の影響を数値で確認!

まず、皮を剥いた状態を確認しました。

雹が当たった部分が硬くなっています。その部位を取り除けば、果肉は何の問題もないようです。

実際に食べてみると甘い果汁がたっぷりと口の中にあふれ出します。

この甘さは、どれぐらいあるのか?糖度計で計測してみました。

示した数値は13.1%。これは、メロンや桃にも負けない糖度です。

続いて梨の食感を、まずは凍らせずに生の状態でアナライザーで計測します。

3バッジを1セットとして計測し、その平均を記録し急速冷凍後の変化と比較してみることにします。

テスト動画→https://youtube.com/shorts/cF2Q2ZprXFc

≪計測条件≫
【試料サイズ】凡そ2cm角
【試験方法】 針径φ1 突き刺し試験
【ストローク】28mm上下

【計測結果】
針が梨に刺さってからの最大点の平均は5.15N(1N=100g)。

グラム換算で515gの負荷(歯ごたえ)でした。

一方、生の梨をそのまま急速冷凍したものを解凍し計測すると124gの負荷となり、梨らしさのあるシャキシャキ感が落ちてしまいました。

上記結果からそのまま冷凍し保存期間を延ばすのでなく、何かしらの加工品にして冷凍することで付加価値を付けていくことが望ましいと考えます。

シンプルにジュースに!

では何に加工すれば良いか?フリーズラボでは、まずはシンプルにジュースに加工してみました。

Lサイズの幸水3個で約600mlのジュースができました。

十分美味しいジュースになりましたが、梨独特のザラついた舌触りがなくなり、リンゴジュースのように思えてしまいます。

梨ジュース

作りたての感想は、梨感をもっと出す必要を感じるテスト結果でした。

このジュースを真空パックして急速冷凍機で急速冷凍してみました。

解凍後試飲してみると、作り立てよりとろみがあり、より強く梨を感じることができました。

梨ジュース動画→https://youtube.com/shorts/Kfl2RDwNNVg

次なるチャレンジ

シンプルな梨ジュースと言っても改良の余地があるため、より梨らしさを感じられるものを更に試作してみます。

また、定番のコンポートに加工し急速冷凍しておけばいつでも手軽に食べることができるデザートになりそうです。

梨の果汁をたっぷりと加えたアイスクリームも試してみたいと思います。

こうして考えていくと、急速冷凍技術と加工の工夫で、商品価値が損なわれた梨に新たな価値を付加し、被害をリカバリーできる可能性がありそうです。

被害がないことが最も重要です。

しかし、天候の操作はできず、避けて通れない状況である以上、対応策のひとつとしてこうした方法もあると、フリーズラボでは考えました。

非公認ご当地キャラで有名になった千葉県の梨は、市川市、船橋市、白井市、八千代市、鎌ヶ谷市と広域であり生産量全国1位(データは農林水産省:令和2年農業産出額に基づく)です。

それだけに今回の雹害は深刻です。

フリーズラボのチャレンジが、同じ悩みを持つ多くの梨農家さんの参考になることを切に願います。

共同で集積して加工品に変えるなど、地域全体での取り組みも考えて行く必要があります。

急速冷凍で保存し旬を延ばすことで、流通の時期を変えていくことも重要な要素になります。

次のチャレンジもブログに掲載していきますので宜しければご覧ください。
追ってYouTube動画もテスト状況等、公開してまいります。

ご興味いただけましたら、webサイト問合せフォームよりお気軽にお問合せください。
お問合せはこちらからどうぞ➡https://isgnet.satori.site/dbp-otoiawase.form