この記事でわかること
給食工場に、給食の委託をしている業種は少なくありません。たとえば、学校や幼稚園などの教育機関のほか、病院や介護施設、宿泊業界においても、給食工場を利用するケースが多いのです。そんな給食工場ですが、近年ではクックチル、クックフリーズを導入するところが増えてきたことをご存じでしょうか。
給食工場がクックチル・クックフリーズを導入するメリット
クックチルとは、大量に調達した食材を一度に調理し、急速冷却して保存するシステムです。提供するタイミングに合わせて再加熱を行い、器に盛り付けて提供します。クックフリーズは、これを急速冷凍で処理するシステムとなります。では、給食工場がクックチル、クックフリーズを導入するメリットとは何なのでしょう。
業務の効率化と安定した供給
給食工場によっては、小ロッド多品種を1日に数千食を用意しなくてはならないところもあります。これほど大量の食事を用意するには、システム化された段取りのよい方法で調理をしなくてはなりません。
クックチル、クックフリーズを導入すれば、それが可能となります。クックチルなら、一度に大量の料理が作れ、最大5日間保存ができます。さらに、クックフリーズなら二ヶ月ほど保存が可能。よって小ロッドであったものを大量生産して保存するなど計画生産が可能となります。調理そのものをシステム化し、クックチル、さらに、クックフリーズの保存ならば、大量の食事を安定して供給できます。
安全性の向上
クックチル、クックフリーズを導入することで得られるメリットとして、食の安全性を高められることが挙げられます。
クックチルでは、調理の終わった食品を急速冷却します。クックフリーズなら急速冷凍。このように、一気に食品を冷却、または急速冷凍することにより、細菌の繁殖を許しません。食中毒の原因にもなりえる細菌の繁殖を抑えられるのは、大きなメリット。
特に、クックフリーズの場合は、急速冷凍を行うことで、クックチルよりも長い期間食品を安全なまま保管することができます。
ニュークックチルも検討する
クックチルと比較されることの多いニュークックチルですが、こちらも給食工場をはじめさまざまな業種で導入されています。クックチルの進化版ともいえる、ニュークックチルの導入も併せて検討してみましょう。
基本的なシステム
ニュークックチルは、調理した料理を急速冷却してチルド保存し、その状態で器に盛り付けます。その状態で再びチルド保存し、提供するタイミングに合わせて再加熱を行います。
クックチルとほぼ同じに思えますが、チルドした食品を器に盛り付けて再保存することが大きな違いです。チルドした食品を盛り付けるため、細菌の付着や繁殖を抑制する効果が期待でき、より食の安全を高められるのです。
新たなビジネスチャンス
盛り付け済みの料理をトレーにのせたまま再加熱する方法なので、どちらかというと医療施設や介護施設などに向いているシステムです。また、テイクアウト需要の高まりで限られた時間での調理では提供できる食数に限界がありましたが大量調理で保存できるので食数の増加も可能になります。ただ、給食工場や飲食業界でもやり方次第では新たなビジネスチャンスとなるかもしれません。
トレーにのせたままの状態で温かい料理を運搬できるのなら、提供先の負担も軽減します。クリアしなくてはならないことはたくさんありますが、これを機会に考えてみるとよいかもしれません。
新システム導入と併せて行いたいこと
食事を提供する側にも喫食側にもメリットが多い、クックチル・ニュークックチル・クックフリーズといった新しいシステムによって生まれる効果をさらに高めるコツを紹介します。
社員の意識向上も大切
安全で安心な食品を提供しようと、現在では多くの給食工場がクックチルやニュークックチル、クックフリーズなど、新たな調理法を導入しています。安全性の高い最新のシステムの導入と併せ現場で働く社員の安全に対する意識を高めるとより良いでしょう。
現場で働く人たちに安全に対する意識を向上してもらうためには、日ごろから安全意識を高められる取り組みを行い、定期的な研修なども実施しましょう。こうした地道なことの積み重ねやHACCP認証を受けているか等が、食の安全性を高めることにつながるのです。
導入した旨を発信する
近年では、食の安全に関する意識がどんどん高まりつつあり、消費者の目も厳しくなっています。クックチルやクックフリーズの導入は、食に対する意識が高いものとして、企業のブランド力をアップさせることができます。このため、導入した旨や導入後に食事を提供した施設や企業、学校からの意見、感想を自社ホームページに掲載しましょう。
食を提供している給食工場だからこそ、安心できる美味しい食事を届けたいもの。クックチルやクックフリーズなら、食事を輸送している間も食品を安全な状態で保つことができるため、病院給食、事業所給食、学校給食、介護施設給食委託などへの信頼を高めることができるのです。
まとめ
すでに、クックチル、ニュークックチル、クックフリーズを導入している給食工場はたくさんあります。業務の効率化や食の安全性を高められるため、導入して損はないと考えられます。これから給食関連の事業を興そうとしている方は、新システムによって得られるメリットにぜひ目を向けてみましょう。