業務効率化が可能となり、食の安全性を高められると話題のクックチル。進化版のニュークックチルやより保存期間が長いクックフリーズも同じく注目されていますが、導入にあたりどのような機器が必要なのか気になる方も少なくないでしょう。そこで、ここではクックチルやニュークックチル、クックフリーズ導入にあたっての必要機器、導入時の注意点などをまとめました。
クックチルの必要機器
クックチルやニュークックチルは、急速冷却した料理を適温で保存し、必要なときに再加熱して提供する調理法です。この調理法を実践するには、ブラストチラーやリヒートウォーマーキャビネットなどの機器が必要です。
ブラストチラー
クックチルやニュークックチルでは、調理した料理を一気に冷却します。急速冷却で3度以下にすることで、細菌などの繁殖リスクを回避し、食の安全性を高められるのです。
ブラストチラーは、この急速冷却に必要な機器です。冷蔵庫のような見た目ですが、冷蔵庫や冷凍庫とは違い、調理したばかりの熱い料理を入れて冷却できます。
加熱調理したばかりの料理をスピーディに冷却できるため、味を損ないにくいのも大きな特徴です。食材本来の味や風味などを損なわないため、再加熱後も美味しく味わえます。
リヒートウォーマーキャビネット
ブラストチラーによって急速冷却された料理は、プレハブ冷蔵庫などで適温保存されます。最大5日間まで保存が可能で、提供する前に再加熱が行われます。
リヒートウォーマーキャビネットがあれば、保温から再加熱までがひとつで可能です。3度以下の温度で保存ができ、提供するタイミングで再加熱まで行える優れものなのです。
ニュークックチルの場合は、急速冷却した料理をあらかじめ器に盛り付け、トレーにのせたまま保存します。再加熱カートと呼ばれる機器で加熱を行い、提供するときはカート部分を押して移動させながら、各部屋の利用者さん、患者さんなどに食事を配ります。
クックフリーズの場合は、急速冷凍で使用するための冷凍機器を使用します。クックフリーズの保存期間は8週間程度。クックチル、ニュークックチルと比べて保存期間が長いことがメリットです。
導入方法
クックチルで使用するブラストチラーやリヒートウォーマーキャビネット、クックフリーズで使用するショックフリーザーなどの冷凍機器、真空包装機、再加熱カートなどは、厨房機器の専門店で購入できます。厨房機器を専門に扱うお店が近くにあるのなら、一度覗いてみることをおすすめします。
また、クックチル、クックフリーズ等の新調理システムで使用する機器を扱っている会社では、導入時にテストを行う会社や導入後のアフターフォローが手厚い会社もあります。サポートが充実している会社を選ぶことで導入から運用まで安心して行えます。
導入前に知っておきたいこと
クックチルやクックフリーズ、ニュークックチルの必要機器を導入にかかる金額負担を軽減できることをはじめとして、導入前に知っておきたいことを紹介します。
導入を助ける補助金がある
クックチル、クックフリーズといった新調理システムの導入には初期費用がかさむといったデメリットがあります。しかし、このデメリットは補助金を利用することで解消可能です。全国中小企業団体中央会が運営している「ものづくり補助金」では、申請が通れば最大1000万円が国から支給されます。
補助金の範囲は導入にかかる費用の1/3~2/3となるため、大幅なコストダウンが実現できます。借入と違い返済の必要がないことや、運用後は新調理システム稼働によるコスト削減ができるため、経営を圧迫させない導入が可能です。
ただし、採択されるためには、綿密な事業計画書を用意する必要があります。
本当に必要かどうかを考える
クックチルやニュークックチルはたしかに優れた調理法ですが、本当に必要なシステムなのかどうかを今一度考えてみましょう。もしかすると、これらのシステムは必要ないかもしれません。
どちらも、大量の調理が可能で食の安全性を高められるのは事実です。ただ、そもそも大量の食事を提供する必要がない、できたての味にこだわりたい、といった施設やお店では、これらのシステムは不要でしょう。
適した調理法を検討する
クックチルやニュークックチル、クックサーブやクックフリーズ、真空調理などの調理法は、どれが一番、どれが優れている、といったことはなく、どの調理法にもメリット・デメリットがあります。本当に必要な調理法や保存・保管がいい一番の課題なのか?先ずは、自社の課題を洗い出して、そのうえで導入を検討してください。
まとめ
クックチルやニュークックチル、クックフリーズを導入するには、ブラストチラーやリヒートウォーマーキャビネットなどが必要です。どちらも安いものではないため、導入にあたってはじっくりと考慮することをおすすめします。