この記事でわかること
国連サミットで採択され、今世界中で取り組んでいるSDGsは国内の企業経営にも組み込まれています。政府の公式ホームページでは、SDGsの取り組みを行う企業の一覧が載っているほどです。ここではSDGsとは何か、経営戦略にSDGsを採用して事業を進める方法などについてなどを紹介します。
SDGsとは
「Sustainable Development Goals」の略称で「エス・ディー・ジーズ」と読むSDGsは、国連加盟国が2016年~2030年の間に達成しようと掲げた目標です。
SDGsは目標
SDGsは持続可能な開発目標のことで、大きな目標をまず17掲げそれぞれを細かくするために具体的な169のターゲットが構成されています。日本でも菅政権になり低炭素社会の実現に向け電気自動車の普及や水素利用を今後促進していく方針が示されました。
このうち1~6の目標は主に開発途上国に関する内容で、貧困や気が、安全な水の確保、健康や教育について盛り込まれています。7~12の目標はエネルギーや働きがいなど企業の経営にも関わる内容で、まちづくりまで広くカバーした内容です。残りの13~17の目標は気候変動や海・陸についてで世界中の誰しもが関係のあることです。
SDGsのゴール
毎年7月にSDGsの達成状況を、各国自ら報告することになっています。報告に向けて2016年に日本でも第1回目のSDGsの会合を開き、それ以降年2回同じメンバーによる会合を行っています。
SDGsのゴールは掲げた17の目標の実現で、そのためには細かく具体的なターゲットを企業経営に取り入れて行う必要があります。
企業経営におけるSDGsの取り組み方
日本国内の大手企業や有名企業は既にSDGsの取り組みを経営戦略の中に入れ、実施しています。では具体的にどのような手順で進めると良いかを説明します。
SDGs向けの新規事業開発
自社の強みを生かした新規事業開発をするときに、SDGsの取り組みを加えるとその事業にはビジョンや思いを持てます。中心となる目的や問いがあると強い事業にしやすいため、SDGsの大きな17の目標の中から切り口を探すと良いです。
SDGsを活用すると良い理由には、更に掘り下げたターゲットなどがあるためで、大きな目標を決めた後はそれ以下の細かい内容の何にどう取り組むかを考えていくと、まとまりやすくなります。
企業ブランドの構築
社会目的が何かをとらえたうえで企業のブランドに合った社会貢献をすると、消費者は興味を持ちます。そのため企業が経営で気にする点は、社会目的と企業ブランドがどこまで合っているかで、例えばアウトドア製品の会社が環境問題に積極的に取り組むことはわかりやすい事例です。
ただし、時には企業に対してネガティブなイメージを持たれる場合もあります。そのため、どの目的を採用するかは十分社内で検討して進めることがポイントです。顧客が持つポジティブな評価とネガティブな評価を検討し、自社に合った活用をすると良い評価が期待できます。
情報整理
会社の規模が大きくなるほど隣の部署では何を行っているか、互いに知らない場合も少なくありません。
しかし、事業や部署というまとまりの縦軸のつながりに加えてSDGsが入って横軸の役割を持つと、情報の整理に役立ちます。すると新しい見方や考え方、現在行っている活動の中の課題が見つかる機会にもなります。
経営戦略
企業が願う姿と現状の差を埋めるための方針が経営戦略であり、SDGsは2030年とのベンチマークを提供しているため、そのとき企業はどんな状態にありたいか検討するきっかけになります。
そして2030年に向けた長期的な目標から逆算していけば、必要な行動や企業の存在意義がよりはっきりとするため、SDGsを経営戦略に利用する企業は増えています。それに会社の存在意義が明らかになると意思決定がすばやくなり経営資源も引き付けるはずです。
企業経営におけるSDGsのメリット
SDGsを企業経営に採用している企業はどんなメリットがあるためでしょうか。ポイントごとに説明します。
企業ブランドイメージのアップ
SDGsは社会貢献の取り組みと認識されやすく、経営戦略に含めて行うことは企業のイメージアップにつながる活動です。良いイメージを持つ人が増えれば、次の変化を期待できます。
・優秀な人材や新たな人材を採用しやすい
・同一目標を掲げることで従業員同士の一体感が生まれ、意識の変化とモチベーションアップにつながる
・社会貢献に関心のある優良顧客に共感されると売上アップを期待できる
国際的な活躍につながる
国連サミットで採択された目標がSDGsのため、これに取り組んでいることは世界にも通じるポイントです。取り組みを含んだ経営戦略をとっていると評価が高くなり、海外進出を考える中小企業の今後の展開にも役立ちます。
まとめ
SDGsは経営戦略に使うと事業の新たな展開の軸になり、目的や思想のある事業を自社の強みとともに進めると周りからの評価も得られやすいです。またSDGsは社会貢献をする企業とのイメージも与えられることから、企業のイメージアップにも役立ちます。