老人ホームでクックチルとクックフリーズを導入するメリットとは?

たくさんの料理を作って保存し、必要に応じて提供できるクックチルとクックフリーズ。現在では、病院や介護施設などさまざまな場所で導入されている調理システムです。ここでは、老人ホームのような施設においてクックチルとクックフリーズが必要な理由、導入することで可能になることなどをご紹介します。

老人ホームにクックチル・クックフリーズが必要な理由

そもそも、どうして老人ホームにクックチル、クックフリーズを導入する必要があるのでしょうか。従来のように、その都度調理して提供するより、クックチルとクックフリーズには、従来の調理法にはないたくさんのメリットがあるからです。

また、調理、盛り付け、配膳から下膳まで同じ時間帯に行われるので人的な業務負担も考慮しなくてはなりません。

美味しい料理を提供できる

経営者の立場で考えると、なるべく利用者の数は増やしたいもの。利用者さんを増やすには、クオリティの高いサービスを充実させることが大切ですが、食事の美味しさも重要なポイントです。

老人ホームのような介護施設で出される食事は入居者の健康状態に配慮しています。しかし、スタッフの少ない施設では、どうしても調理にかけられる時間が限られてしまい、献立数を増やすことや適温での提供が難しいケースもあります。

クックチルとクックフリーズなら、大量に調理した料理をストックでき、なおかつ食材の食感や味などを損ねません。常に美味しい料理を提供できるため、利用者さんの満足度を高められます。

利用者の健康と食べ残し

利用者の満足を得にくい食事を提供している場合、食べ残しによるフードロスが発生しやすくなります。これは利用者の健康状態を守る上で解決すべき重要な課題です。

利用者に提供する食事は、栄養士が作成した献立に沿って作られています。この献立は、利用者が1日に摂取すべき栄養が過不足なく摂れるように考えられているため、食べ残しがあると健康管理が困難になります。

もちろん、利用者が必要な栄養を適切に摂取できるよう、食事介助を行うスタッフの高い技術力によって、できるだけ食べ残しがないような対応を行っていますが、利用者が積極的に食べたいと思う食事提供が可能になれば、利用者のストレスを取り除くことができる上に、食事介助スタッフの負担も軽減することができます。介護保険制度で一日当たりの食事提供料金が規定されている中で考え行うことは、料金と不釣合いになっていると感じている事業者が大多数と思います。

クックチルで可能になること

クックチルは、老人ホームの利用者さんだけでなく、施設の経営者やそこで働くスタッフたちにも多大なメリットを与えてくれます。ここでは、クックチルを導入することで可能になることをご紹介します。

盛り付け作業が簡単になる

チルドした状態の料理を盛り付けるため、簡単かつスピーディな盛り付けが可能です。箸やトングなどを使用する必要もないため、素早く効率的な作業ができます。ビニール手袋を着用しておけば、細菌が付着する心配もありません。

食事提供に関わる人的コストの大幅削減

調理から保存、再加熱してから提供といった一連の流れを、システマチックに行えます。マニュアル化してしまえば、誰にでもできる作業であり、少ない人数で効率よく業務を行えるのです。

従来よりも少ない人数で厨房業務が可能となるため、コストを削減できるメリットがあります。人件費を削減でき、浮いた分でほかのサービスを充実させる、といったことも可能になるのです。

品質を安定させられる

従来の調理法の場合、調理する人が変わると味が変わってしまうことも少なくありませんでした。そのため、食事が美味しい日もあれば、あまり美味しくない日もあるなど、味にばらつきが出てしまうことも少なくなかったのです。

クックチルとクックフリーズなら、こうしたことも起きません。レシピをマニュアル化し、料理を大量に作って保存しておけば、あとは再加熱して提供するだけであるため、味の安定化を図れるのです。

さらに、クックチルでは、調理したものを急速冷却させ、クックフリーズでは急速冷凍するため、細菌の繁殖を抑制できます。再加熱を行うときも、専用の機器を用いて大量に行えるため、人の手が触れることはほとんどありません。食の安全が求められる老人ホームにおいて、クックチルとクックフリーズはベストな調理法なのです。

クックフリーズならワンランク上の施設作りも可能

クックチル、クックフリーズはどちらも利便性が高く、美味しい食事を提供できる上に、準備にかかる人員コストの大幅削減が期待できますが、より、施設の充実度を図ることができるのはクックフリーズです。

クックフリーズは、クックチルよりも長期間食品の味を落とさずに保存することができるため、食数の変動があった場合も食品ロスが発生しにくくなります。このため、食事の個人対応を行っている施設にかかる費用・労力の負担を長いスパンで減らすことが可能です。

また、クックフリーズのこの特性は、入居者の充実度を上げる施設作りにも活用できます。老人ホームでは食事時間は一律で、一カ所に集める形で食事を摂ることがほとんどですが、それは従来の生活リズムと異なることもあります。

このストレスを解消するために、一部の施設では、起床時間のタイムラグなど、個々の特性がでやすい朝食の時間帯は時間を一律にするのではなく、利用者のタイミングで摂るといった取り組みも行われています。

このように、クックフリーズの導入は、コストをかけずに利用者の満足度を向上させ、他の老人ホームとの差別化を図るといったことも可能にするのです。

まとめ

老人ホームにクックチル・クックフリーズを導入すれば、利用者さんだけでなく施設運営者、業務に従事するスタッフもさまざまなメリットが得られます。より食の安全性と業務効率を高めたいのなら、クックフリーズの導入がおすすめです。