この記事でわかること
介護業界での導入実績の多いクックチルとクックフリーズをご存じでしょうか。クックチル・クックフリーズは比較的新しい調理法として知られ、介護業界だけでなく医療業界でも注目を集めています。ここでは、介護業界の実態や、クックチル・クックフリーズを導入することで得られるメリットなどについてご紹介します。
介護業界の実態
今後高齢化がますます進むといわれている日本において、介護に携わる人の需要はますます増えるといわれています。需要は増える一方ですが、介護業界は今後さまざまな問題に立ち向かわねばなりません。
慢性的な人手不足
ハードな仕事ほど、人材の確保は難しいもの。介護業界は、慢性的な人手不足に悩まされています。
介護の現場では、利用者の移動をサポートしたり、食事やトイレ、入浴の介助をしたりと、とにかく忙しいもの。それに加えて人材不足が重なるとスタッフ1人あたりにたいする仕事量はどうしても増えてしまいます。
業務量を減らし適切な労働環境を目指すことが望まれています。
すぐに人が辞めてしまう
多くの介護施設において人材の確保に苦心していますが、せっかく採用したスタッフがすぐに辞めてしまうことも少なくありません。5年勤務するとベテランの仲間に入るといわれるのが実情です。「人の役に立てる立派な仕事をしたい」と希望を胸に働き始めたものの、現実と理想のギャップに打ちのめされてしまい、職場を離れてしまうケースが多いのです。
また、先ほどもお話したように、介護の仕事はとてもハードです。利用者の身体的なケアはもちろん、対話をこころがけ、精神面のケアを行う場合も多々あります。
利用者からのクレームに対応することもあり、たとえば食事の味が美味しくない、食事が冷めている、献立の種類が少ないといった内容にも受け応えをする必要があります。
クックチル・クックフリーズ導入によるメリット
介護の現場はとにかく人手不足であり、限られた人員で仕事をこなさなくてはなりません。そこで注目されているのがクックチルとクックフリーズです。これらのシステムを導入することで、介護の現場はさまざまなメリットが得られます。
厨房スタッフの負担を減らせる
クックチルは、あらかじめ調理したものを急速冷却することで、約5日ほどの保管が可能となる技術です。急速冷却したものを、提供する直前に再加熱するだけなので、厨房スタッフの労力を大きく軽減できることは無論ですが配膳・下膳人手の確保に余裕ができることが大きなポイントです。
介護施設によっては、配膳業務とほかの仕事をスタッフに兼用させていることも少なくありません。特に、人手の足りない施設では、こうしたケースは決して珍しくないのです。
クックチルの導入により、最小限の人手で厨房業務を回せるようになります。余った人員をほかの作業に回すことも可能になるため、効率のよい人員の配置も可能となるのです。
さらに、クックフリーズはクックチルのこのようなメリットに加え、食品の保存期間が約10倍長いため、長いスパンで食事の作り置きができます。
安全性を高められる
介護施設では、利用者が安心して快適に生活できるよう衛生面には細心の注意を払う必要があります。
クックチル・クックフリーズなら、それぞれ、細菌が繁殖しやすい温度帯を短時間で通過して冷却・冷凍保管ができるため、食の安全性を高められます。管理も適切な温度下で行われるため、食中毒のリスクを回避することができるのです。
ニュークックチルにも注目
クックチルをさらに改良し、進化させた調理法がニュークックチルです。すでに、多くの福祉施設や医療機関などで導入されており、たしかな実績があります。ニュークックチルでは、あらかじめ調理した料理を、器に盛り付けた状態で保管するのが特徴です。
さらなる業務効率化が可能
クックチルの場合、冷却している調理を再加熱し、それから器に盛り付けて提供します。一方、ニュークックチルでは、すでに器へ盛り付けられた状態で再加熱を行うため、その都度盛り付けの手間がかかりません。
トレーのまま再加熱し、すぐに提供できるのが特徴でありメリットです。盛り付けや配膳にかかっていた手間を軽減でき、いっそうの業務効率化を可能にします。
ただし、ニュークックチルを導入するためには急速冷却機械を行う機器の設置が必要です。スペースの確保がしにくい場合は、クックチル、ニュークックチルよりも場所を取らないクックフリーズが向いています。
美味しく食べてもらえる
残念ながら、病院食や介護食はまずい、というイメージを持たれてしまっていること多いです。特に、冷めてしまった料理は、本来の味や食感が失われてしまうため、著しく美味しさが低下します。
クックフリーズ、クックチル、ニュークックチルなら、常に美味しい状態の料理を味わってもらえます。このように、利用者の満足度度を向上させ、利用者の増加を目指してみてはいかがでしょうか。
まとめ
クックフリーズ、クックチル、ニュークックチルは、介護現場の負担を大きく軽減でき、業務効率化も図れます。特に長い期間食品を安全に保管することができるクックフリーズは、食数が多い施設にも最適です。メリットの多いクックフリーズ、クックチル、ニュークックチルの導入を前向きに検討してみましょう。