この記事でわかること
飲食店でテイクアウトを始めるとなると、表示の義務が気になるでしょう。お客様に安全に食品を選んでもらうため、表示の義務を確認しておいてください。
テイクアウトに表示義務は必要なのか?
お店でテイクアウトを始める場合は、表示義務の必要性をチェックしておきましょう。表示の義務がないケースと、表示が必要なケースがあります。
店内で調理したものは表示の必要がない
お店で調理しテイクアウト用に提供する食品に、表示義務はありません。表示義務とは、原材料名・消費期限・保存方法などです。お店で調理している場合は、口頭で伝えられるため、表示しなくても良いことになっています。
加工した食品を使う場合は表示義務の必要あり
加工した食品をそのままテイクアウトメニューに使う場合は、表示義務があります。
たとえばソース類などの加工食品をお弁当に付ける場合です。マヨネーズのように特定の原材料を使うことが明らかな場合は、マヨネーズと表示できます。また包装面積が30平方cm以下の場合でも表示の義務があるため注意しましょう。
セントラルキッチンでの調理販売は表示義務の必要あり
お店内とは別の場所に、セントラルキッチンを設けている場合は、表示の義務があります。
セントラルキッチンとは、病院や学校などで採用している別の場所にある厨房のことです。別の会社に調理のみを依頼する場合もあるでしょう。
別の場所で調理し運ぶ方法のため、使われている原材料や賞味期限で不明な点がある場合も少なくありません。消費者に正確な情報を伝えられるよう、表示しなければなりません。
テイクアウトを始める前に確認したいこと
テイクアウトを始める場合は、事前に確認したいことがあります。営業許可の必要性や、表示をどうするのか考慮しておきましょう。
コーヒーテイクアウトの許可について
お店で提供しているコーヒーを、テイクアウトできるようにする場合は、許可が必要ありません。すでに営業許可を得ているため、同じ範囲内でテイクアウトできます。ただしお店とは別にキッチンカーを設ける場合は、許可が必要です。
またコーヒーのテイクアウトは、別容器が必要です。持ち帰り用の専用カップを準備しなければなりません。ドリンク類を持ち歩くとこぼれやすいため、蓋つきの容器を準備しましょう。持ち運びしやすく、コストの面でも妥協できる容器を選んでください。
宅配の営業許可や資格について
店内で調理する料理を宅配する場合は、営業許可や資格は必要ありません。すでに取得している営業許可の範囲だからです。
宅配もする場合は、エリアを決めておきましょう。範囲を決めないと、配達に時間がかかり料理の質が低下します。30分程度で配達できる範囲に留めれば、料理の品質が保てるでしょう。
配達は人件費や、時間ロスも考慮する必要があります。コストがかかりすぎる場合は、外部に配達を依頼できるサービスの利用が便利です。利用者が一定料金を負担することで、配達未対応のお店も利用できるようになります。
また、冷凍可能な商品であれば冷凍することで宅配物流に乗せれば営業エリア外のお客様にして頂く機会にもなります。
弁当やおにぎりのラベル表示をどうするか
テイクアウトの食品に表示義務はありませんが、表示するかはお店によって判断が異なるでしょう。
たとえばランチの時間帯にたくさんのお客様が来店し、1人ずつ口頭で対応できない場合は、別途表示すると安心です。お弁当容器にシールを貼るか、表示した用紙を別途入れる方法があります。
アレルギー表示について
食品アレルギーの表示をしておけば、アレルギーがある方でも選びやすくなります。アレルギーのある方の来店が多いなら、通常メニューとは別に、アレルゲン除去や低アレルゲンメニューを提供する方法もあります。
アレルギー表示は、7品目の特定原材料の表示がおすすめです。卵・乳・小麦・えび・かに・落花生・そばの7品目は、重篤な症状を引き起こす恐れがあります。アレルギーがある方が摂取すると、生命にかかわる可能性があるため注意が必要です。
お店で調理をする場合は、調味料に使われている原材料も確認してください。マヨネーズには卵が含まれていることがあります。醤油には小麦が使っている商品があるため、使うときに確認しましょう。
消費期限について
消費期限を表示しておけば、食中毒リスクを軽減できます。テイクアウト食品は傷みやすく、当日中に食べきるのが基本です。何時まで明記できるなら、正確な時間を表示させましょう。
口頭で伝えることもできますが、お客様が聞き間違える場合もあります。後で確認しやすいよう表示しておけば、安全に食べられるでしょう。表示と合わせて口頭でも伝えておけば、食中毒対策を高められます。
まとめ
飲食店でテイクアウトを始める場合は、表示の義務がありません。口頭で伝えれば、お客様に注意を促せるためです。表示の義務はありませんが、アレルギーや食中毒を防ぐため、表示しておくと安心です。テイクアウトを開始する前に、どこまで表示するのか明確にしておきましょう。