この記事でわかること
国連サミットで2015年に採択されたSDGsに対し、日本企業でもさまざまな取り組みを行っています。持続可能な社会の実現に向けて、政府だけでなく国内企業の協力は欠かせません。ここではSDGsに参加する企業やその取り組み方の例を紹介します。
日本企業のSDGsへの取り組み方
世界規模でSDGsの取り組みを行うなか、日本の企業も同様にSDGsを推進しています。その始まりは2010年にGPIFがPRIに署名したことで、投資家からの投資を受けるには財務情報だけでなく、環境や社会への責任を果たしているところも求められるようになりました。
SDGsとは?
「Sustainable Development Goals」の略称であるSDGsは、持続可能な開発目標との意味がある言葉です。国際社会のリーダーたちにより決められた共通の目標で、2015~2030年の15年間にわたって掲げる長期的なものです。
SDGsの前身にはミレニアム開発目標を意味するMDGsがあり、その期限を2015年に迎えたため新たに採択されました。
大きな17の目標を掲げ、それらを具体的にした169のターゲットを設定しています。
日本のSDGs達成度
2018年の段階で日本が達成されているとの評価を受けたのは、「目標4:質の高い教育をみんなに」だけでした。特に順位の低かった内容のうち、企業が重視するべき目標は「目標12:つくる責任つかう責任」「目標14:海の豊かさを守ろう」があります。
民間企業などにもSDGsへの取り組みを理解し協力してもらうと、この時のフォーラムで政府は発表したため、有名企業だけでなくすべての日本企業がSDGsを念頭においた企業活動が必要としました。
日本企業のSDGs取り組み例
外務省の公式ホームページでは、SDGsに参加する企業の一覧を公開しています。気になる企業があれば、一覧に入っているかチェックしてみましょう。その一部企業の取り組みを説明します。
リユース資材による梱包ボックス
ある引越し業者では地球温暖化・資源枯渇・廃棄物の問題解決のために、梱包資材の削減に力を入れています。引っ越しと言えば、たくさんの段ボールや梱包材を使うイメージを持つ人は多いです。しかしこの企業では紙資材を使わないリユース可能な梱包資材を開発し運用しています。
それだけにとどまらず、使用後の段ボールを自ら回収してゴミを出さない引越しを目指す、引っ越し車にグリーンディーゼル車を導入するなど、環境保全に配慮した業務を心がけています。
電子技術を活用
ある電機メーカーではあらゆる分野の取り組みをしており、まずは学校給食に技術参入して、指紋認証による給食配給管理システムを開発しました。個別の履歴がわかるため、子どもたちの栄養管理や健康改善などの強化に役立っています。
ほかにも食の分野では、チェーン全体の食品ロスや廃棄削減を目標とした、AI技術による在庫・生産・発注の最適化や効率化を行っているのです。
生体認証はほかにも開発途上国で電子母子手帳を導入したことがあり、母子の健康管理と安全性の改善などに役立っています。
ゼロエネルギー住宅
住宅会社の中には、脱炭素社会の実現とあわせてエネルギー効率を高める取り組みをする企業があります。その会社ではエネルギーゼロを目標とし、住宅の建築から街づくりまで行っているのです。
これから建てる住宅を省エネだけでなく、自らエネルギーを創りスマートにすること、そして効率が良くより広い範囲でエネルギーゼロを叶えることを目指しています。
SDGsにまつわる企業側のメリット・デメリット
これまでと違い、企業が本業に取り組みつつ社会や環境などに対する目標達成に向けた活動をしますが、その中には取り組むメリットと取り組まないデメリットがあります。
取り組むメリット
本業とSDGsの取り組みを合わせて行うと、目標達成に向けた製品やサービスの開発を行うでしょう。すると新たな市場の開拓や新規顧客の獲得にもつながります。
世界で取り組むSDGsに参加している企業になれば投資家からの高い評価も期待でき、顧客からのイメージアップにもなるでしょう。従業員の意識やモチベーションアップにも働くはずです。
それからSDGsに関する企業のあらゆる課題がどう企業活動に影響するかを洗い出しておくと、将来のリスク特定や回避策を立てることにもつながります。
また災害用に食料などの備蓄を準備している企業は多いですが、賞味期限が近付いたとき寄付をすれば、食品廃棄をなくし必要とするところへの支援にも役立ててSDGsの取り組みになります。
取り組まないデメリット
世間でますますSDGsが浸透すれば、取り組みをしていない企業の評価は下がり、投資家からも選ばれなくなるかもしれません。そのため企業はできるだけ早くSDGsに取り組める体制を整えて進めることがおすすめです。
まとめ
日本企業の多くが既にSDGsの取り組みを始めており、取り組み度ランキングでは大手企業が名を連ねています。本業とあわせてSDGsを行う社会に変わってきており、自社の業種に合った取り組みをするとメリットも多くなるはずです。