この記事でわかること
2015年の国連サミットにて採択されたSDGs(エスディージーズ)は「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な開発目標を意味しています。それまでの国際社会の在り方とは変わった新たな取り組みで、世界中が目標達成に向けて動いているのです。ここではSDGsの課題や身近な取り組み方をご紹介します。
SDGsの課題はビジネスとつなげるべき
SDGsがそれまでと異なるところは、国だけでなく民間企業にも取り組みの協力を求めている点です。日本企業も共にSDGsを取り入れた経営を行うことで、消費者にも影響を及ぼせると期待できます。
課題解決に取り組む企業例
既に多くの日本企業がSDGsの目標に基づいた取り組みを行っていますが、その一部を紹介します。ちなみにSDGsに取り組む企業の一覧は外務省公式ホームページで閲覧が可能です。
エネルギーゼロのまちづくり
ある住宅会社が行っているSDGsの取り組みに、脱炭素社会の実現及びエネルギー効率アップを掲げたものがあります。ここではエネルギーゼロを目指して、住宅の建築だけではなくまちづくりまでと大規模な事業展開をしています。
建てる住宅は自らエネルギーを創りだせるスマート設計を重視し、さらに効率化した広い範囲でのエネルギーゼロを叶えようと事業を進めている企業です。
ゴミを極力減らす
引越しをするとたくさんの段ボールなどゴミが出ますが、そのゴミをできるだけ減らす取り組みをする引越し会社があります。その企業では割れ物を梱包するときに紙を使わず、専用の梱包ボックスをつくって使用するほか、段ボールは自社で回収しているのです。
この事業内容により、ゴミ処理の負担を減らして地球温暖化を防止、紙を使いすぎないことで資源枯渇を防ぐことにつながっています。
給食の食べ方チェックでロス削減
ある電機メーカーが学校給食に参入し、指紋認証を使って給食をどれだけ子ども個人が食べたかを把握するシステムを開発しました。学校側には子どもたちの栄養管理と健康改善に役立つ情報を入手できるメリットがあり、配膳量を調整して廃棄を減らすことにもつながります。
また学校給食以外にもAI技術を活用して、事業での在庫・生産・発注数を最適化・効率化し、食品のロスを減らしています。
イメージアップにも役立つ
SDGsを企業の経営方針に利用し、その考え方をもとにして事業を運営すると国際社会の流れに合った企業との印象を持たれると見込めます。そして、取引先や消費者が良いイメージを持てば交渉がしやすい、良い条件で取引ができる、販売数が上がるなどのメリットが生じます。
すると売上アップにもつながり、社会貢献をしながら業績も上げている企業として人材からの注目度も高くなって、優秀な人材の獲得も期待できるのです。人材が十分集まれば企業経営の継続が確かなものになる可能性が高まります。
食品ロスの課題解決には
食べ物を扱う事業ではどうしても食品ロスの課題がつきもので、どれだけロスを減らすかもSDGsの達成につながっています。なぜなら廃棄食材は無駄を出してることになり、その処分にはエネルギーが必要なためです。それにその食品を生み出すために使ったエネルギーも無駄になってしまいます。
冷凍技術でロスを減らす
消費期限が切れれば食品を処分しなくてはなりませんが、新鮮な状態のまま保存できれば消費期限は長くなりロスの機会も減らせます。そのとき役立つのが食品冷凍技術です。
新鮮な状態やできたてのおいしい状態ですぐに冷凍ができれば、使うときまで冷凍保存してあるためいつでも品質の良い食材を使えるメリットがあります。
そして冷凍技術の活用は飲食店だけでなく、介護施設や社員食堂など食品の調理を行う施設でも食材のストックにおけるロス削減に役立ちます。
急速冷凍機の導入
冷凍庫は何でも良いわけではなく急速冷凍機を選択すると、食品ロス防止につながります。それは一般の冷凍庫では品質低下しやすく、解凍したときに味が落ちていては処分するはずです。
その点急速冷凍機の場合、品質を維持して凍らせるうえに数年~数十年レベルでの保存がきくため、貴重な食品のロスをせずにすみます。
コストカットにも役立つ
食材や料理を急速冷凍して保存し、いつでもおいしい状態で出せるとなれば、提供時間に合わせたスタッフの確保も必要なくなります。勤務時間の空きを使って下ごしらえをしたり、忙しい時間帯に必要以上のスタッフを割かずに済んだりすると期待できます。
人件費の削減が進めば他の事業費へ回せるため、SDGsの目標を取り入れた新規事業の準備費用にもあてられます。
まとめ
世界中で取り組んでいるSDGsはビジネスに取り入れることが必要とされます。日本の企業ではSDGsの目標達成のために既に動き始めている企業が多数あり、政府の公式サイトでも閲覧できます。
また食品ロス削減による環境保全を目指すには冷凍技術の導入があります。それにより食品廃棄を減らすほか人件費カットにも役立つので、SDGsを取り入れた新規事業開発にも使えるはずです。