この記事でわかること
介護の世界で注目を集めているユニットケア。特別養護老人ホームをはじめ、さまざまな介護施設においてユニットケアを導入するところが増えてきました。ここではユニットケアの概要や、ユニットケアを行っている施設がクックチルやクックフリーズを導入するメリット、注意点などをまとめました。
ユニットケアとは
自宅にほど近い介護施設で、介護スタッフやほかの利用者さんとともに生活を送りながら、ケアを受けるスタイルです。利用者一人ひとりの生活リズムに合わせながら、きめ細かなサポートを行うのが特徴です。
従来の特養などでは、効率面からどうしても集団介護を行っています。そのため、施設によっては、一人ひとりの利用者さんに対するサポートが薄くなってしまうケースもありました。
そこで注目を集め始めたのが、一人ひとりの生活リズムを尊重したユニットケアです。施設内には個室を完備し、プライバシーにも配慮しました。もちろん、ほかの利用者さんやスタッフたちとコミュニケーションをとる、共同の居間などもあります。今後、ユニットケアを導入する施設はますます増えると考えられています。
ユニットケア施設でクックチル・クックフリーズを導入するメリット
クックチル・クックフリーズは、新しい調理法のひとつです。一度に大量の料理を作れるのはもちろん、ほかにもさまざまなメリットがあることをご存じでしょうか。では、ユニットケアを導入する施設において、クックチルとクックフリーズはどのようなメリットをもたらすのでしょう。
利用者の満足度向上
ユニットケアにおいては、利用者さんの満足度を高めることも大切なポイントです。そのためには、日々の食生活も充実させなくてはなりません。
クックチルとクックフリーズを用いて作られた料理は、味を損ねにくいことや出来立てとと同レベルの提供など複数のメリットです。さまざまな料理にも対応でき、できたての温かい食事を利用者さんに提供できます。
人的コストの削減
ユニットケアを導入する施設内で調理を行う場合、ある程度の人員が必要です。その都度調理を行うケースでは、専属の調理スタッフのほか、盛り付けや配膳などの人員も必要で、それなりの人的コストが発生します。
クックチルとクックフリーズは、あらかじめ料理を作って保存しておけば、あとは再加熱して盛り付けるだけです。そのため、少ない人数で効率的に業務を行うことが可能となります。必要最小限の人員で現場を回せるようになるため、トータルでの人的コスト削減が可能となるのです。
食の安全を高められる
特養のような介護施設において、食の安全性を高めることはとても大切なこと。利用者の健康と安全を考えた食事作りにおいて、衛生管理は重要です。
クックチルとクックフリーズは、食の安全を高められる調理法といわれています。クックチルは料理を急速冷却、クックフリーズなら急速冷凍を行っているため細菌の繁殖を防げるからです。それために、特養など介護施設でクックチルとクックフリーズが導入されているのです。
クックチル・クックフリーズ導入における検討事項
クックチルとクックフリーズはメリットの多い調理法であるため、医療施設や介護施設など、さまざまなところで導入されています。ただ、導入においてはいくつか注意点もあるため、覚えておきましょう。
機器の設置が可能か
クックチルに使用する機器は大きいため、設置するスペースを確保しなくてはなりません。クックフリーズならクックチルよりも場所を取りませんが、それでも、導入する機器を設置できるだけのスペースがあるかどうかを確認しましょう。また、搬入の経路も確保できるか業者に確認してもらうようにしましょう。
もし、機器を設置できるスペースがないのなら、場所を拡張する必要もあります。厨房の設計そのものを見直さなくてはならないこともあるため、しっかり確認してください。
向かない料理もある
さまざまな料理に対応できるクックチルですが、万能というわけではありません。中には、あまりクックチルに向いていない料理もあるため、注意が必要です。
クックチルでは、冷却、クックフリーズでは急速冷凍したものを再加熱する方法を用いているため、食材によっては食感を損ねてしまう恐れがあります。使用する際は相性の良い食材を使うようにしましょう。、
費用面の問題
クックチルに必要な機器は、決して安くありません。ものによっては、500万円をオーバーする高価なものもあります。クックフリーズはもう少しリーズナブルで、小型機種であれば450万円で手に入れることが可能です。但し、容量の違いや性能の差があるので提供食数に応じて機種選定する必要があります。このようにある程度の初期投資が必要なことは覚えておきましょう。
まとめ
今後、ユニットケアを導入する介護施設はますます増えると予想されます。よりきめ細かなサービスを、効率的に行うためにも、クックチルやクックフリーズの導入を検討してみてはいかがでしょうか。ここでご紹介したメリット、注意点などを踏まえながら、導入を検討してください。