クックチルの作業工程は?導入で得られる利点もご紹介

クックチルは、新しい調理法のひとつとして知られています。現在では、福祉や医療、食品業界などさまざまな業界で導入されており、今後ますます注目を集める調理法と考えられます。ここでは、クックチルの具体的な作業工程のほか、導入することで得られる利点についてもご紹介します。

クックチルの作業工程

クックチルの導入を検討している場合、具体的にどのような作業工程になるのかは気になるポイントです。導入前に、クックチルの具体的な作業工程を理解しておきましょう。以下、作業工程を流れ順にご紹介します。

食材の準備とチェック

クックチルは、事前に調理した料理を急速冷却させ、適温で保存し提供するタイミングで再加熱を行う調理法です。一度に大量の料理を調理するため、まずは食材を入荷しなくてはなりません。献立に合わせて食材を調達し、腐食や傷みなどがないかをチェックします。

下処理

納入された食材に問題がないのなら、下処理を行います。調理するメニューに合わせて食材をカットしたり、皮を剥いたりといった作業を行うのです。また、下味をつける必要がある食材については、この段階で味付けも行います。下処理の手間が、料理の味に大きく関わってくるため、手を抜けない工程です。

調理

下処理が終わった食材を、実際に調理していくプロセスです。魚や肉を焼く、野菜と一緒に炒める、煮つけるといった工程を行い、料理として仕上げていきます。クックチル専用の調理機器を用いて調理を行うこともあれば、従来の方法で調理するケースもあります。

急速冷却

クックチルシステムの肝となるプロセスです。調理し終わった料理を急速冷却するのです。クックチルでは、調理後90分以内に急速冷却が行われ、一気に中心温度3度以下まで冷却します。

クックチルと似たシステムとしてクックフリーズが挙げられますが、コチラは-18度まで急速凍結し、その後再加熱して提供するシステムです。クックチルは冷蔵保存、クックフリーズは冷凍保存の違いがあります。

適温での管理

クックチルでは、急速冷却した料理を最大5日間まで保存できるといわれています。それが可能となるのは、3度以下の温度で保存を行うからです。適温での管理を行うのにも、専用の冷蔵庫を用いることがほとんどです。

再加熱して盛り付け・提供

提供する前に料理を再加熱します。再加熱して火を通した料理を、器に盛り付けてから提供します。加熱から盛り付けまでの流れはマニュアル化されることがほとんどのため、経験の浅い方でもスムーズに対応できるメリットがあります。

クックチル・クックフリーズの利点

クックチル、クックフリーズを導入することで、どのようなメリットが得られるのかも気になるポイントです。ここでは、クックチル、クックフリーズの利点についてまとめました。

調理時間の短縮

あらかじめ大量の料理を作れるため、調理時間や提供までの時間を短縮できるメリットがあります。すでに適温で保存している料理を、再加熱して盛り付けるだけであるため、短時間で提供できるのです。専属の調理スタッフがいないときでも、マニュアルに沿って行えば誰でも利用者への食事提供が可能です。

コストの削減

少ない人員で調理や盛り付けなどが可能になるため、人的コストの削減が可能です。マニュアル化してしまえば、誰でも作業に携われるため、新たな人材の採用コスト、教育コストなども引き下げられます。

衛生管理がしやすい

医療や介護などの現場では、特に徹底した衛生管理が求められます。クックチルなら、大量に調理した料理を急速冷却、クックフリーズなら急速冷凍し、適温で保存できるため、適切な衛生管理が可能です。食中毒のリスク軽減にもつながります。

クックチル・クックフリーズを導入すべき業種

現在では、さまざまな業界でクックチル・クックフリーズが導入されています。以下、クックチル・クックフリーズの導入に向いている業界をご紹介します。

介護や医療業界

実際、介護や医療業界ではクックチル・クックフリーズを採用するところが増えています。衛生的な食事を提供でき、なおかつクックチル・クックフリーズなら料理の味も損なわないため、利用者からの顧客満足度が高くなるからです。近年では、クックチルをさらに進化させたニュークックチルやクックフリーズを導入するところも増えています。

学校の給食センター

生徒たちに大量の食事を作る必要のある給食センターでも、クックチルは導入されています。クックチル・クックフリーズなら、最小限のスタッフで、安全かつ美味しい食事の提供が可能となります。

まとめ

クックチルのプロセスはいたってシンプルで、マニュアル化させれば専属の調理スタッフも少なくて済みます。業務効率化が可能となり、あらゆるコストの削減にもつなげられます。更にクックフリーズであれば保存期間が更に長くなることで季節を変えて安い時期の食材購入も可能となるのでこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。