急速冷凍とは!?緩慢冷凍との違いや導入するメリット、代表的な急速冷凍機の種類をご紹介

みなさんこんにちは、フリーズラボ(freeze-LaBo)です。

フリーズラボは、千葉県にある急速冷凍技術を用いた実験室で、「食と生活にイノベーションを起こすこと」をミッションとしています。

近年の冷凍商品の進化は目覚ましいものがあります。

手軽さはもちろんのこと、お家にいながらお店の味を楽しめるような商品も発売されています。

そのバリエーションの豊かさや品質の高さに驚かされることも多く、冷凍商品に対してのイメージはどんどんと向上しています。

本記事では、高品質な冷凍商品を実現する「急速冷凍」という技術について、ご紹介いたします。

一般的な冷凍と急速冷凍で何が違うのか、メリットはどのようなものがあるのか、また急速冷凍を活用した冷凍機にはどのようなものがあるのか等、ご理解の一助になれば幸いです。

また、最後には当社で扱っている急速冷凍機についてもご案内します。

それではご覧ください。

▪緩慢冷凍と急速冷凍

冷凍方法は最大氷結晶生成帯*の通過に要する時間の違いで2種類にわけることができ、それぞれ緩慢冷凍と急速冷凍と呼ばれています。

*最大氷結晶生成帯とは

食品細胞内に氷結晶が大きく生成されやすい温度帯(‐1℃~‐5℃)のこと。

この温度帯に留まる時間が長いほど、大きな氷結晶が生成されることで食品細胞が損傷してしまいます。

逆に、留まる時間が短いほど小さな氷結晶となり細胞損傷を抑えることができます。

【緩慢冷凍】

最大氷結晶生成帯を、30分以上かけて緩やかに冷凍する方法です。

一般的な家庭用冷凍冷蔵庫や、業務用冷凍庫等はこの緩慢冷凍が該当します。

緩やかに冷凍されることで大きく生成された氷結晶が細胞を損傷させるため、旨味や栄養素が水分と共に流出したり、見た目や食感の変化が生じる等、冷凍品質に影響を与えます。

【急速冷凍】

最大氷結晶生成帯を、30分以内に急速に冷凍する方法です。

低温の空気を吹き付けたり、液体を浸したりする等の方式があります。

細胞損傷が抑制されるため、水分や旨味、栄養素の流出が抑制され、冷凍前のような品質を保つことが可能です。

緩慢冷凍と急速冷凍は共に食品を長期保存できるという点では共通ですが、冷凍に要する時間や品質については上記のような大きな違いがあります。

▪急速冷凍のメリット

急速冷凍を活用することで、緩慢冷凍と比較して様々なメリットを得ることができます。

ここでは代表的な4点をご紹介いたします。

【 生産量を上げられる】

時間当たりの冷凍生産量を上げることができます。

ニーズがあるにも関わらず冷凍に時間がかかり生産が追いつかない、といった課題を解決することができ、結果的に売上向上に寄与することができます。

【販路を拡大できる】

緩慢冷凍では見た目や食感が変わってしまう食品も、急速冷凍は冷凍前のような品質を保つことが可能です。

冷凍化による販路拡大をしたいが緩慢冷凍では商品価値が損なわれるため実行に移せない、といったお悩みは急速冷凍で解決できます。

【食品ロスを削減できる】

仕入れたものの使いきれなかったり、売れ残り等の理由から発生する食品ロス。

高い品質を保つ急速冷凍で保存した食品を、必要な分だけ解凍して使うことで、廃棄による食品ロスを大幅に削減できます。

【計画生産ができる】

例えば恵方巻のような特定時期に大量生産していた商品を、予め計画生産して冷凍保存することで繁忙期の作業を平準化することができます。スタッフの負担が軽減されるだけでなく、ピーク時にスタッフが確保できないといった懸念も払拭できます。

また販売時期のピークと旬の時期がズレている天然鰻のような商品も、旬のおいしい時期に仕入れて急速冷凍し、ピークに合わせて販売する等の方法も可能となります。

このように急速冷凍には多くのメリットがあり、食に関する課題の解決に貢献することができます。

▪代表的な急速冷凍機

急速冷凍を活用した冷凍機にはいくつかの方式があります。

ここでは代表的な3つの方式をご紹介いたします。

【空冷式(エアブラスト)】

・急速冷凍機の中では最もポピュラーな冷凍機

・低温の風を食品に当て、急速に熱を奪い冷凍する

・様々な食品に対応でき、汎用性が高い

・風を吹き付ける構造から冷凍ムラが生じやすい

・定期的な霜取り(デフロスト)の作業が必要

【液冷式(ブライン)】

・⁻35℃前後の低温の液体に浸して冷凍する方式

・液体は空気と比べ、分子密度の違いから約20倍熱の伝導率が高い

・空冷式に対して、冷凍速度に大きな優位性がある

・低温の液体が満遍なく商品を包み込むため、冷凍ムラがない

・冷凍前にパックする必要があり、スポンジケーキ等の柔らかい食品を冷凍する際は型に入れる必要あり

【液化ガス式】

・液化窒素ガスや液化炭酸ガスを吹き付けて冷凍する方式

・窒素ガスであれば⁻196℃、炭酸ガスであれば⁻79℃と低温のため、素早い冷凍が可能

・空冷式や液冷式と比べランニングコストが高い

・高単価商品向けの冷凍方式

各冷凍方式の特徴を踏まえ、事業規模や商品特性にマッチした方式を選定することが重要です。

導入検討時には実際に自社商品を冷凍テストし、冷凍に要する時間や時間当たりの生産量、冷凍品質等を確認する必要があるでしょう。

▪フリーズラボの扱う急速冷凍機「ナノフリーズ」

フリーズラボの扱う急速冷凍機ナノフリーズ(以下ナノフリーズ)は、液冷式急速冷凍機です。

他社液冷式との最大の違いは、商品棚を上下動させる独自の冷凍構造にあります。

従来の液冷式は、液体の入った液槽をスクリューで攪拌することで冷凍効率を上げています。

一方ナノフリーズでは、スクリューではなく「商品棚」自体がダイナミックに液層内で上下動することで、強力な流れを生みだしています。

この流れにより熱を奪う効率が高まり、液冷式が持つ冷凍効率をさらに向上させています。

高い生産能力を発揮するだけでなく品質の向上にも繋がるため、より価値のある冷凍商品開発に寄与します。

下の画像は椎茸を業務用冷凍庫で緩慢冷凍したものと、ナノフリーズで冷凍したものとを比較したものです。

業務用冷凍庫では椎茸のハリが低下し、潰れたようになっています。

一方、ナノフリーズでは冷凍前のようなハリを保っていることが見て取れます。

下図は、椎茸の食感をグラフ化したものです。

見た目だけでなく、グラフ上でもその違いを確認することができます。

業務用冷凍庫とナノフリーズでは、冷凍後の食感に大きな違いが生じていました。

フリーズラボでは、ナノフリーズを使った冷凍テストを行うことが可能です。

業務用厨房機器を初めとした調理器具、各種調味料もご用意しており、調理、冷凍、解凍、試食の流れを体験していただくことができます。

実際に様々な業態の方がご来場され、冷凍テストを体験されています。

ご来場者様一例⇨https://freeze-labo.com/voices

▪おわりに

これまでは「冷凍なのにおいしい」という評価が一般的でした。

しかし現在では「冷凍なのにおいしい」という認識から「冷凍でもおいしくて当たり前」という評価へ、認識が移行しつつあると考える必要があるのではないでしょうか。

こうした顧客ニーズを叶えるために重要な技術が「急速冷凍」です。

進化した現代の急速冷凍技術を導入し、企業の益々の飛躍にご活用いただけますと幸いです。

本記事をご覧になり、急速冷凍機に関するお問合せ等ございましたら、下記URLからお願いいたします。

https://isgnet.satori.site/dbp-otoiawase.form

急速冷凍機の見学やデモテスト、急速冷凍品の試食も実施しています。

ご興味のある方はぜひ下記URLからお申込みをお願いいたします。

https://isgnet.satori.site/dbp-kengaku/sisyokukai.form

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